解体

 旧家の解体日が決まってから、後片付けに時間を使う。ほぼめどがついた。掃除しながらいろんな思い出がよぎる。自分のこと、父のこと、母のこと、子供のこと、近所のおじさん、おばさん、浮かんでくるのは、人。物にはさほど気持ちが動かないのに、家の隅々に漂う空気の威力。みんないなくなった。家にある空気を解体すると 気持ちさえ解体される。覚悟していたより気持ちが落ち込む。

 今あるもの、今いる人、自分の未来を大切にすることを誓う。