老いの冒険

曽根綾子 著 老いの冒険 興陽館  2019年2月

 

「お爺さんは山へ柴刈りに、お婆さんは川へ洗濯に」というのは、桃太郎の物語の出だし部分だが、そこには何歳になっても働く、慎ましい老人像があった。しかし今の年寄りは遊ぶか、他人に面倒を見てもらうことを自分に与えられた権利だと考えている。人間としての厳しい生活からは生きる限り開放されないものだ、という覚悟をしていない。社会的には、今改めて老人教育が要る。

 もういつ死んでもいいという感覚には、すばらしい解放感がある。……老年は自分で毎日をデザインできる。……若者の時に冒険をする人は選ばれた人ですけれど……老年はほとんどの人が冒険していいんです。

 人間はその人の体力に合う範囲で、働くことと遊ぶことと学ぶことを、バランスよく、死ぬまで続けるべきなのです。もうアメリカ式の引退したら遊んで暮らすという発想は時代遅れだと思う。

 

 仕事する老人は、年金では生活できないからか、趣味・孫に使うお金の捻出か、仕事することが好きなのか…などあれこれ考えていた。私は事務職定年後、自分の体力に合う範囲で働いるから、お金を捻出というほどの金額にはならない。働くことで、社会参加している緊張と喜びがあるから続けられる。1年ごとに「辞める」と言いながら3年目になった。遊んで暮らす人が理想的だという思いと、なじめなさがあった。著者のことばで、体力に合う範囲で働き続けよう、迷いがなくなった。