子育てはもう卒業します

垣谷美雨 著 子育てはもう卒業します 祥伝社文庫

             2020年9月(2016年7月)

 1970年代から現代までの物語。80年代初頭に四年制大学を卒業した世代。女性の大学進学率が1割、短大は2割。86年に男女雇用機会均等法。それまでは女性の仕事はお茶くみとコピー取りだったと説明する母親。それに対し娘は、「お茶をいれたりコビーを取ったりするだけでちゃんと給料をもらえたんでしょ。今の世の中、そんなのありえない。専業主婦でも食っていけるなんて結構なことじゃないか」と。結婚、出産以外にほぼ選択がなかった世代の女性と、結婚も就業も自由に見えて、旧来の将来への安定性がすでに失われた世代の女性の対比が浮かぶ。70年代は、日本人のライフスタイルの均質化が頂点を迎えた時代。結婚率がもっとも高かった時期でもあり、最盛期は生涯結婚が男性の98%、女性の97%が一生のうち一度は結婚していた。子は親世代が考えた堅実な人生とほど遠いが、みなたくましく生きている。子育ては卒業、次は老後。ライフステージもまた前世代とはかけ離れた出来事がきっと待っているに違いない。

 

感想:面白い!久しぶりに、次の展開をドキドキしながら読んだ小説です。男女雇用機会均等法以前に就職した世代の私。まさしく、ある、ある、の出来事ばかり。主人公たちと同じ価値観で子育てをしてきて、いまだに、ひきずりながらいる。どうしよう、と感じていたことは、子育ては卒業、次は前世代とはかけ離れたライフステージを自分で考えて過ごす決意で、ワクワクになる。まずは、子育ては3月で卒業だぁ!決意!!