七十歳死亡法案、可決

垣谷美雨 著 七十歳死亡法案、可決 幻冬社 2012年1月

 

2020年 高齢者が国民の3割を超え、社会保障費は過去最高を更新。破綻寸前の日本政府は「七十歳死亡法」を強行採決する。2年後に施行を控え、主人公(55)はやっと自由になれると喜びを感じながら、自らの人生の残り時間に焦燥感を隠せずにいた。我儘放題の義母(84)の介護の追われた15年間、懸命に家族に尽くしてきた。なのに夫(58)と息子(29)娘(30)はみな勝手ばかり。主人公が行動する。

介護や福祉制度が発達していれば寝たきり問題は生まれなかったはずなのだ。寝たきり問題の背後には根強い 男尊女卑意識が隠れている。高齢者の側も、高齢者福祉サービスを賢く利用して自立した老後を送るという切り替える心の準備が必要だ。

 

 

 

 

感想:面白い。9年前の作品。行動を起こす主人公はあっぱれだ。それにより、家族が変化する。自分は変われても他人を変えることはできないと思っていた。しかし、行動すれば自分が変わり他人も変わる。元気が湧いてくる。