垣谷美雨 著 嫁をやめる日 中央公論新社 2017年
ある晩、夫が市内のホテルで急死した。「出張に行く」は嘘だった。ショックを受けながらも夫の隠された顔を調べはじめた主人公。いっぽう、義父母や親戚、近所の住人から寄せられた同情は、やがて監視へと変わっていく。義父母、婚家からの卒業を描く。
感想:面白い。話の展開にワクワクする。夫婦や家族や親族とのつながりと役割。「いつ何時も馬鹿正直に自分の気持ちを言うヤツがいるかよ。根っからの悪者じゃなければ許容範囲だろ。そう思って我慢して夫婦を続けている」主人公の父のことば。役割を完璧にこなさなければならないと考えるより、できる事だけをする。イライラしてするより、笑ってできないと伝える、自分にとって精神的によさそうな行動をしよう。