老父よ、帰れ

久坂部 羊 著 老父よ、帰れ 朝日新聞出版 2019年

 

 45歳の主人公は老人ホームから認知症の父を自宅に引き取ることにした。認知症の介護は「修羅場」なのか、「恩返し」なのか。なぜか空回りをしてしまう。排泄、隣人との付き合いなどの暮らしを描く。

 

感想:自宅で介護されれることは本人にとって望むことか。家族に介護されることは、他人にされるより「申し訳ない」気持ちの負担が強いのではないだろうか。介護する方は恩返しの気持ちを継続できるか。いつしかストレスで気持ちがふさぐのではないだろうか。プロに任せて、家族はストレスの少ない環境にいて、機嫌よく本人に対応するのがいいのではないだろうか。そうするためにはお金の有無が大切になる。かつて100歳の金さん銀さんが、テレビの出演料に使い道を聞かれて「老後のため」と答えたのは、ウケを考えたと笑った。今なら、その通り!と頷く。