酒井章子 著
認知症がやってきた!マリリンとおひとりさまの私の12年
SHC 2018年12月
主認知症のママ(愛称ママリン)と暮らして10年となった。主治医からママが認知症と診断され……奈良で一人暮らしをしていた2年を含めると、12年も認知症と付き合った。……脳の変化に伴い、親が親でなくなり、人が人でなくなり、モンスターになっていく現代版ホラーである。……「優しさや思いやりや愛情」では太刀打ちできないから、「知恵と工夫とアイデア」でしのいでいくしかない。介護はクリエイティブだったのだ。
……当時では考えられなかった言葉をママはよく口にするようになった。「ありがとう」「サンキュー」である。急激に【いいこちゃんモード】に変化した原因は、認知症がどんどん進んだおかげのようだ。……認知症の進行と老いの進行の両輪が、いい塩梅にママを普通のおばあちゃんにしてくれたようだ。…
「人に迷惑をかけないようにしなければ」という気負いが、介護の幅を狭めるだけでなく、人生そのものを生きにくくしている。「ありがとう」が言えれば、それでOKなのだ。
感想:認知症になりたくはないが、なったら 「ありがとう」という言葉をたっぷり使うようになりたい。今から「ありがとう」を普段からいつも使うようにしよう。認知症にならない工夫より 実行可能な工夫です。