垣谷美雨 著 あきらめません! 講談社 2022年5月
定年退職を迎えた夫婦が夫の田舎へ移住した。閉鎖的地域社会、染み付いた男尊女卑、時代遅れな現実に打ちのめされる妻。なぜか市議会議員に立候補する。
立候補に迷う…定年まで頑張って働いてきた…あとは余生だとしても許されるはずだ。気楽にノンビリ暮らすつもりで移住してきた。ただ「ノンビリ暮らす」という意味が日々わからなくなっていた。…趣味で気を紛らわせて煩悩を捨て去って暮らすことだ。実際問題として…大金はない。できる範囲で日々を楽しんで暮らすのだ。
本来、政治は身近なもんや。歳を取ってからどんな生活がしたいか、身体が不自由になったときどうするか、この町で自分はどう生きていきたいのか。もっとこうしたら暮らしやすいと色々思うことがある…立候補を決意する。
決意するまでと決意してからの話の進展が面白い。
感想:男尊女卑の意識は男性と女性双方にある。その意識に甘えて 楽している部分もある。意識は少しづつ変わってきている。その分大変さの片棒を担わなければいけない時代は甘くない、男も女も子供も壮年も老人も。老人として自分はこの町でどう生きていきたいのかを考えた。