萬斎の芸能玉手箱


石川県立音楽堂に行く。

新春 萬斎の芸能玉手箱 を観る。

満席で大入袋が渡される。

中身は5円玉。

 

素囃子 春の寿。

笛、小鼓、大鼓、太鼓のみの兄弟演奏。

はじめて聴くプロの音が 体中に響く。

 

舞踊 七福神。

素囃子に三味線と唄で市川猿之助 の舞踊。

指先や手首動き、骨から動いているような柔らかさ、視線の麗しさ、体幹の強さ、とても美しいはじめてみる舞踊の所作に息をのむ。

 

狂言 福の神。

92歳になる父・野村万作の福の神の重厚な声、息子・野村祐基の参詣人の朗々とした張りのある声、やりとりがとても素晴らしい。

 

二人三番そう。

狂言の野村萬斎、歌舞伎の市川猿之助のそれぞれの動きの違いが舞台で一つが楽しい。

 

最高のプロの演技は感動する。気持ちが震える…ほどの感動です。

 

朝 起きた時は大雪のため、行くのは辞めようと思った。

11月にチケットを予約して楽しみにしていたけれど…安全が第一。

10時になると空も明るくなり、出かけることにした。

行きも帰りも雪が降らず、出かけてよかった。

 

きょうの北国新聞 きょうの言葉。

哲学者の三木清のことばを引用。生活とは苦しくつらいものであるという認識がまず存在し、楽しみは生活と対立的な存在とされた。三木はこういった考えは誤りだとし、娯楽が生活になり生活が娯楽にならなければならないと説く。娯楽と生活を切り離すことはできないという。重要なのは、仕事や家事に正面から向き合い、そこの喜びや楽しみを見出すこと、すなわち 意欲を発明することだ。

 

きょうの舞台に立つ人は 仕事に正面から向き合い、喜びを見出しているように思えた。

それが、見る人に 震えるほどの 感動をあたえてくれる。